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2012年1月

2012年1月28日 (土)

第490話 「麒麟の翼」

本日公開の麒麟の翼。テレビドラマ「新参者」の劇場版。ある晩、青柳武明が腹部を刺されたまま歩いて、日本橋の麒麟像の下で、息絶えた。直後、有力な容疑者である八島冬樹はトラックにはねられ、死亡する。その後、容疑者の八島が青柳の工場で派遣切りにあったこと、その背景に労災逃れがあったことが分かり、逆に、被害者へのバッシングが起こるなど、事態は急変。しかし、真実には、被害者の長男が深くかかわっていた。

といった内容です。詳しくは是非映画をご覧ください。この映画の中のポイントが日本橋の麒麟像。本来、麒麟に翼は無いのですが、旅立ちのスタートである日本橋から飛び立っていくという意味合いから翼がついているとのことです。映画では、「原点に戻って、正直に物事に立ち向かっていく」ことの象徴としても使われています。27日に投信法改正の方向性が打ち出されました。ここでも何度も問題視した「毎月分配」と「通貨選択型」を規制する内容です。法律改正は早くて来年ですが、業界は今すぐに投資信託の商品性を見直すべきです。

日本の投信市場の問題点は誰もが分かっています。販売会社がすべて牛耳っていて、販売会社の意向に沿った商品だけ投信会社は考えてきたわけです。現在の20%を超える分配金利回りなど、みんな良くないと分かっているのです。しかし、販売会社に「利回りを下げると売れない」と言われると、下げるわけにはいかないのです。しかし、法律が変われば、その呪縛から解放されます。動機は良くないですが、結果は同じです。

投信会社は、「麒麟の翼」のように、原点に戻って、投資家の資産形成に資するより良い商品を作るようになってほしいものです。

2012年1月14日 (土)

第489話 「毎月分配地獄」

前回、2011年の投信市場を振り返ったが、Quick Money Lifeの集計によると、2011年の間に野村アセットの追加型株式投信は、1.1兆円純減になり、6.36兆円になりました。前回では、この純減には、国際投信のグロソブほど直接的な要因ではない、複雑な問題点を抱えているのではないかと指摘しました。今回は、必ずしも正解ではないかもしれませんが、一つの純減の要因として、「毎月分配型投信」の影響について考えます。

今回も、モーニングスターのサイトで、野村アセットの毎月分配型と隔月分配型の投信のみをスクリーニングしました。すると、毎月分配型は122本、隔月分配型は11本ヒットしました。毎月分配型122本の合計資産額は約4兆円、隔月分配型は7千億円強でした。従って、野村アセットでは、5兆円弱が毎月分配か隔月分配なわけです。きちんと計算したことがなかったので、改めて、この残高の大きさに驚かされます。

そして、これらの分配金利回り(対基準価額)は、毎月分配型で平均20%、隔月分配型で4.4%でした。この分配金利回りと残高を掛け合わせると、仮に投信で保有する証券の価格に変化がなく、新規の資金流入がなければ、何もしなくても、野村アセットの投信残高は、1年後に約8千億円、減ることになります。もちろん、保有している証券からインカムなどが入り、その分、資産額も増えるので単純に8千億円減るわけではありませんが、資産残高を競う運用会社にとっては、相当なるダメージとなります。

運用会社は売れるからといって、毎月分配型ばかりに商品を傾斜してきましたが、すでに何度も述べてきたように、分配と称して元本を返してしまうために、自分で自分の首を絞めることになったわけです。減らないようにするには、また、新たな毎月分配型の投信を出し続けなければいけないという自転車操業状態なわけです。まさしく「毎月分配地獄」。だからこそ、前回、破滅の道に進んでいると言ったわけです。

2012年1月 8日 (日)

第488話 「2011年の投信市場を振り返る」

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、今年最初の話題は、昨年2011年での投信市場を振り返ります。「Quick Money Life」の投信注目ランキングの情報を参考とさせていただきました。

昨年1年間での資金流入額トップ5は、1、新光US-REIT、2、大和住銀 短期豪ドル債オープン、3、ダイワ米国リートオープン、4、日興 ラサールグローバルREIT、5、ダイワ US-REIT オープンBでした。

一方、資金流出額トップ5は、1、国際 グロソブ、2、ダイワ グローバル債券、3、ダイワ 外国債券F、4、ピクテ グローバルインカム、5、大和住銀 グローバル好配当株でした。

この流入、流出の各トップ5を比べると、皆さんの予想通りですが、分配金利回り(対基準価額)にはっきりとした差が出ています。先週末のデータで見ると、流入トップ5の平均は23%で、流出トップ5の平均は11.7%でした。すなわち、売れ筋と言われているものは20%以上の分配金利回りを求められているわけです。しかし、流出の方も11.7%と決して低いわけではありません。むしろ、非常に高いと言えます。実際、特別分配金の占める割合を見ると、流入トップ5平均が58.8%、流出トップ5が52.9%とどちらも半分以上、元本を返しているに過ぎないわけです。こんな無理なことが2012年も続いていくのでしょうか?もう、投信業界は異常な世界に入ったとしか言いようがありません。

そして、究極は特別分配金比率100%の投信です。それなりに残高のあるファンドでこれに該当するのが、「DIAM J-REITオープン(オーナーズ・インカム)」です。無条件に、このファンドの評価は、”C”です。ひどいです。手数料を払って、元本の償還を受けている投資家は、すぐに売却してください。無意味ですから。

投信会社別でみると、最も資金流出が多かったのは、野村アセットで、約1.1兆円失いました。現在、6.3兆円の純資産残高なので、単純に計算すると、前年比15%程度失ったわけです。国際投信も9千億超の資金が流出しましたが、これはグロソブの影響なので分かりやすいですが、野村アセットの場合は、問題の本質は複雑そうです。大和投信も、REITで資産を増やしていますが、一方で、外債ファンドを失っています。意識的に乗り換えを進めたのでしょうか。

いずれにせよ、業界は、明らかに「残高から収入」にビジネスの基軸を移したと考えます。すなわち、販売会社の一時的な手数料の高いものや信託報酬の高いものを、長く保有されなくても良いから、とにかく売る、そうした姿勢になっていると思います。表面的には「個人の資産形成に貢献する」と言っておきながら、全く違う方向に行っている。今年もそんな1年になりそうです。しかし、それは、破滅への道だと私は思います。

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