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2012年2月24日 (金)

第494話 「AIJ投資顧問」

本日、独立系投資顧問会社であるAIJ投資顧問が、企業年金から受託している運用資産 約2000億円の90%以上が毀損している可能性があるとして業務停止命令を受けました。NHKでもトップニュースとして伝えています。正直、私は、「しまった!」と思っています。実は、先週から今週にかけて仕事が忙しく、このブログを更新できていませんでした。しかし、先週、金融庁のHPで、同社に検査が入っていることを知り、昔からきな臭い運用会社だったので、何か出るかもしれないと書こうと思っていたからです。

さて、なぜ、きな臭いかというと、以下の通りです。

1、情報を出さない。:企業年金は通常、その運用状況を四半期毎に運用機関から提出ささます。それはパフォーマンスだけではなく、どういう運用しているかとか、どういう資産を持っているかとか、細かく報告させます。しかし、AIJは、パフォーマンスの数字以外、ほとんど顧客に報告していなかったそうです。また、企業年金が運用会社の評価のために、別途雇っている外部のコンサルティング会社の問い合わせに対しても一切回答していなかったそうです。これは明らかに変でした。

2、損したことがない:AIJの営業資料にある運用実績では、ほぼ毎月、プラスのリターンが記載されていたそうです(数年前ぐらいの実績には少しマイナスの月が散見されるそうですが)。そんなことがあるわけがないのです。

3、評判が良い:年金情報という専門雑誌で、年末に年金基金にアンケートをし、どの運用機関が良いか、人気投票が行われます。AIJは、数年前から突然ランキング外から1位になり、その後も上位にいます。しかし、同社の詳しい内容を知っている人がほとんど周りにいないのです。変すぎます。アンケートで上位に入るよう、年金基金の担当者に謝礼を払っていたとの噂もあります。

4、社長が怪しすぎる。:AIJの浅川社長は、元野村証券の営業マン。野村証券の方に聞くと、退社する直前は、借金がらみの噂もあったそうです。また、AIJの顧問には、あの手鏡の植草氏が就任していた時期もあったようです。怪しすぎです。しかし、オリンパス問題でも元野村証券マンが逮捕されるなど、野村証券のDNAは犯罪者なのかもしれません。

以上から、同社、業界内で「日本版マドフ」と疑われていました。それなのに、あれだけの資金と顧客を得たのはなぜでしょうか。やはり、年金基金の担当者は、過去の結果だけで物事を判断していたということです。すなわち、素人なわけです。今後、刑事事件に発展していく可能性があるのですが、年金基金側は、まともな報告もしない運用機関を放置していたということで、「受託者責任」違反に問われる可能性があります。すなわち、訴訟のリスクです。加えて、コンサルティング会社、ここも、怪しいと思いながら、年金基金に注意を喚起しなかった「不作為の罪」に問われる可能性があります。とにかく、この問題、大きく波及しそうです。

最後に、2000億円が消えた話も、正直、分かりません。AIJの数字は、おそらく全て捏造の可能性があります。したがって、投資顧問業協会に出している受託資産額が正しいかどうかも、今や分からない状態です。酷い会社です。

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