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2012年3月22日 (木)

第499話 「インサイダー問題とAIJ問題」

皆様ご存じのように、野村HDが2010年の国際石油開発帝石の公募増資に絡んだインサイダー取引に関与していたことが明らかになりました。増資の引き受け証券として知り得た情報を、インサイダー取引を中央三井アセット信託の運用者に教えて、その運用者が顧客の口座で空売りし、下がったところで買戻して利益を得たそうです。自分の懐を温めるためのインサイダー取引ではなく、顧客の口座であったことから、初めての事例として話題になっています。

しかし、本件、やっと摘発されたかという印象です。こうした増資がらみで公表前からヘッジファンドが空売して値を下げ、そして買い戻すといったことが何例も見られたのです。従って、業界の人は誰しも情報が流されていると感じていました。その問題が今回初めて指摘されたわけで、いうなれば、当局から、「今まで、目をつぶってきたけど、もう止めておけよ!」と大手証券会社等に見せしめの通達がされたと業界では受け止めています。黙認してきた当局にも大きな責任があります。これってAIJ問題と同じです。AIJは怪しいことをしていると何度もタレこみがあったのに、何もしなかったわけですから。

最後に、もう一つ共通点がありました。それは、また、野村証券がかかわっていることです。その前はOB、そして、今回は現役の女性の営業担当だそうです。しかし、公募増資の引き受けの担当ではないので、社内で情報遮断が全く機能していない、ズルズルであったことがバレテしまいました。野村は、今後、こうした引き受け幹事から落とされる可能性があります。ちょっと株価も上がってきたにもかかわらず、泣きっ面に蜂です。ただ、個人の懐を温めるインサイダーではないので、単に一人の営業担当が勝手にやったこと、と始末できないでしょうね。きっと、組織としての関与がどうであったかの解明が進むものと思われます。やっぱり、野村証券のDNAは、…。

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